岡山の舞踊・演劇の感想

岡山のダンス(主にコンテンポラリーダンス)や演劇の感想を書きます。

「5th IPU Dance Performance in Okayama 2022 」レビュー

2022年12月26日(月)に岡山市民会館大ホールにて「5th IPU Dance Performance in Okayama 2022 -第5回 IPU・環太平洋大学ダンス部主催発表会-」が行われた。環太平洋大学ダンス部主催の発表会で、環太平洋大学チアリーディング部やダンス部の学生が指導するキッズチアダンサーをはじめ180人以上の出演者により22作品が上演された。

キッズチアダンサーのかわいらしい演技や中学生とは思えない高いテクニックが観客を魅了した。チアリーディング部の演技も迫力満点で会場は歓喜に包まれた。

環太平洋大学ダンス部といえば高いテクニックと優れたコンビネーションをもつダンス部であり、それを存分に堪能できた発表会であった。

『跳進~The throb for tommrrow`s life~』はダンス部が新たな段階に進んだことを感じさせた。この作品は大人数の群舞であるが、今までの作品とすこし毛色が違う。

環太平洋大学ダンス部の大人数の創作ダンスといえば、岡山出身の画家竹下夢二をテーマにした『おもいびと ー夢二、その抒情ー』といった具体的な人物をモチーフにした作品が多い。

ところが、この作品は具体的な人物を表現しているわけでない。衣装も緑や黄色といったカラフルな色使いで幾何学的な図形がプリントされた抽象度の高い衣装であった。

所々に挿入されるストイックな動きはダンスの意味や感情を一切排して、身体動作の面白さを追求するポストモダンダンスの影響を感じる。

もちろん、それまで培ってきた抒情的な動きもあった。彼女達はそれまで行なってきた抒情的な動きとポストモダンダンス的な動きを融合し新たな身体表現を模索していた。

私はその試みを評価したい。抽象度を上げることによって環太平洋大学ダンス部のテクニックとコンビネーションをストレートに感じる作品となっていた。